未来へのメッセージ

※順不同

日本文学研究者 ロバート キャンベル

写真:ロバート キャンベル

 私は日本文学が専門ですが、日本最古の歴史書・日本書紀にも登場する宗像大社は、日本の古代について知るのに重要な場所です。
 2019年に宗像・福津を巡り、船上からは遠くに沖ノ島を見ることができました。建物のない古代祭祀の場・高宮祭場を覆う木々の間から陽が差している美しい風景も印象的でした。そして、何より約1500年もの間、多くの人々が信仰を、精神的文化を継続させてきたことが素晴らしいと感じました。
 これからも、未来にこの遺産を伝えていっていただきたいと願うばかりです。

※令和4年7月10日(日)の読売新聞朝刊に掲載されたメッセージを転載しました。

女優 平 祐奈

写真:平 祐奈

 沖ノ島スペシャル遊覧ツアーに参加させて頂きます、女優の平祐奈です。
 幼い頃から神社にお参りに行っていて、國學院大學では神道文化について学びました。
 ご縁を頂き、宗像には何度も足を運んでいますが、宗像大社にお参りした時の神聖な空気や神々しいパワーにはいつも驚かされます。今回は、宗像大社の祈りの原点である「神宿る島」沖ノ島を目の当たりにできるということで、今からとても楽しみです。
 クイーンビートルに乗船されるみなさんと一緒に、世界遺産や沖ノ島、そして海の環境問題に関する知識を深めていきたいと思います。

※令和4年7月10日(日)の読売新聞朝刊に掲載されたメッセージを転載しました。

宗像市長 伊豆 美沙子

写真:伊豆 美沙子

 2017年7月、ポーランドのクラクフにおいて世界遺産登録決定の場に県議として同席しており、その緊張と興奮は今でも記憶に鮮やかに残っています。
 それから5年を経過し、ふるさと学習の中で世界遺産を子どもたちが学び、次世代へ繋ごうとする姿に感銘を受けるとともに、この宗像に居ることに誇りを感じています。
 その一方で、登録5周年を迎え、様々な課題も見えて参りました。市民をはじめ、応援してくださる関係機関や企業とも手を携え、構成資産はもとより、それを育んだ美しい海を守る、“Save the sea”の活動の輪を広げてまいります。
 そして、郷土への誇りを醸成し、住んで良かったと思われる、持続可能な世界遺産CITY宗像の実現に向け、まい進していきましょう。

宗像市教育長 髙宮 史郎

写真:髙宮 史郎

 本市では、児童生徒にふるさと宗像に誇りと愛着をもち、大切にしようとする心を育むことを目的として、すべての市立学校において、1年生~9年生(中学3年生)まで系統的に学ぶ「世界遺産を核としたふるさと学習」に取り組んでいます。持続可能な社会の創り手としての意欲や態度を育みながら、恵まれた自然や歴史文化を生かした郷土を愛する心や児童生徒の世界遺産に関する知識やふるさとへの誇り、愛着は着々と醸成されていると感じています。
 これからもふるさと学習を進めることで、ふるさと宗像に誇りと愛着をもち、大切にしようとする心をもった子どもの育成並びに文化財の保存・活用を図っていきたいと思います。

海の道むなかた館 館長 西谷 正

写真:西谷 正

 私どもの誇りでもある「ムナカタ」の世界遺産に関して、現在、そのガイダンス施設として海の道むなかた館があり、宗像市内外の皆さんに親しまれ、利活用されています。一方、世界遺産の中核をなす沖ノ島祭祀遺跡の出土品は、宗像大社の神宝館に所蔵、保管され、一部が公開展示されています。
 ここで登録5周年に当たって、世界遺産条約に規定されているように、世界遺産を保存、整備し、将来の世代へ伝えることを確保するための本格的な拠点施設として、世界遺産センターの早期開設を願わずにはいられません。

久留米工業大学 教授 大森 洋子

写真:大森 洋子

 玄界灘に忽然と浮かぶ沖ノ島は、まさに「神宿る島」です。私が沖ノ島を遠望するために乗船した日は波が荒く、沖ノ島が見えた時は心底ホッとしました。古代の人々がこの島を神宿る島と崇め、供物を捧げ航海安全を祈願した心情がよく理解できます。嵐の日にこの島に助けられた人々がきっと多くいたことでしょう。その古代祭祀の姿を現在まで伝え、信仰が続いてきたことは奇跡ですし、それを守り伝えてきた宗像大社や地域の方々に敬意を表します。今後も世界の宝として大切にされていくことを願っています。

國學院大學神道文化学部 教授 笹生 衛

写真:笹生 衛

 人間は、地球上の様々な自然環境の中で生活し、多様な文化・社会を営んでいます。その歴史の中で、自然環境と人間との関係は常に大きな課題となってきました。宗像・沖ノ島における古代以来の神への信仰と祭は、多くの幸を恵み、航海を助ける、島や海辺の自然環境の働きに神を感じた、我々の祖先の直観が基礎にあると考えます。その意味で、宗像・沖ノ島の神への信仰は、豊かな環境と人間との自然な付き合い方を示してくれているように思われます。気候変動への対応など、自然環境の中で人間はいかに生きるべきか、世界的な問題となっている現在こそ、宗像・沖ノ島の信仰の根底にある、自然への直感を改めて理解し、未来へと伝えていくべきなのではないでしょうか。

京都大学 名誉教授 金田 章裕

写真:金田 章裕

 日本海の入り口付近に位置する沖ノ島に、見事な祭祀の遺跡があることに改めて驚いたのは、岡崎敬先生出演のテレビ番組であった。その絶海の孤島という立地にも魅せられた。
 さらに、岩上、岩陰、半岩陰・半露天、露天という祭祀の位置や様式の変遷が知られることや、宗像三女神と国家的祭祀への変遷という過程にも、解明が進むほどに感じ入った。
 何より沖ノ島という祭祀の島が、禁忌の形をとって多くの人々により守られてきたことが重要であろう。三女神が一年に一度宗像へ集う神輿の海上神幸を、百隻以上の地元漁船が警護する勇壮な「みあれ祭」は、その象徴的な表現と言ってもよい。
 ユネスコ世界文化遺産に登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の実際が、永くまた多くの人々に理解され続けることを望みたい。

服部 英雄

写真:服部 英雄

 世界遺産登録5周年、おめでとうございます。
 沖ノ島はなぞの島。海の男にとって、目的地だったのか、通過地だったのか。船が通うことさえ容易でない孤島に、ありったけの財宝を捧げる。なぜだろう。
 規模は小さいがヒントをくれそうな島があった。備後灘(燧灘)に魚島という孤島がある(愛媛県上島町)。ここに小さな海の祭祀遺跡がある(大木遺跡)。表面から貴重な宝物が採集できる。多島海といわれる瀬戸内海でも、そこから東は、しばし島影が消える。不安にかられる航海者は、祈願の品・財宝を神に捧げた。孤島魚島に、重要文化財の宝篋印塔がある。
 沖ノ島には水が出る。いくにちか滞在して、風を見て大海に出る。そのさき海しかみえない。不安は大きい。多くの財宝を島の神に捧げて航海安全を願った理由はそこにあるような気がした。沖ノ島は最終目的地ではなく、航海者の出発地だっただろうか。

磯村 幸男

写真:磯村 幸男

 暫定リスト候補申請から登録へ向けての専門家会議の立ち上げ、推薦書作成、登録へと10余年の月日が経ちましたが、世界遺産としての諸活動は始まったばかりです。地元の人達が本当に誇れる世界遺産になることを心より念じております。

台南應用科技大學 設計学院室内設計系專技副教授 仲間 浩一

写真:仲間 浩一

 世界文化遺産登録5周年おめでとうございます。登録のための活動を契機に、沢山の方々の知恵や努力が結集して、宗像と福津の地をとりまく海の交流の歴史と文化を掘り起こし共有してこられたことと存じます。海の交流とは常に世界に開かれた信仰と生活の文化であり、一つの地域が内部だけに閉じることなく外へ目を広げながら、「関係の中で力強く生きる」ことを実感できる大切な基盤だと私は思います。今生きている人のためだけでなく、これから生まれてくる人々に力を与えることが、世界文化遺産の大きな目的だと信じてください。これからもどうぞ宗像と福津の地域の価値を高めるために力をお貸しください。

福津市観光ボランティアガイド会 有吉 敏高

写真:有吉 敏高

 世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が5年目を迎えます。福津市観光ボランティア会の一員として、海外や日本各地から人達を古墳案内所で案内して来ました。新原・奴山古墳群の魅力を理解してもらえたと思っています。  宗像市・福津市の小・中学生の課外授業で多くの生徒達に来所してもらっています。生徒達には、世界遺産の重要性や大切に保存する事を勉強し故郷に誇りをもってもらえる様、授業に参加しています。
 世界遺産公開講座で日本や海外の講師の方の講演会で個人的にもレベルアップを図る事が出来、感謝しています。
 今後とも宜しく御願いします。

福津市観光ボランティアガイド会 土肥 保見

写真:土肥 保見

 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が登録されて、5周年をむかえて、大変うれしく思い、お祝い申し上げます。
 世界遺産に登録されるまでの間、各関係者の方々の活動に大変頭が下がる思いがします。まだまだ地元の方々には世界遺産の認識が少し薄いように思われます。これから登録10年目にむかって「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界に誇れるものにしたいものです。

宗像歴史観光ボランティアの会 東 修一

写真:東 修一

 2017年7月9日ポーランドのクラクフにて審議された「神宿る島」宗像・沖ノ島関連遺産群は暫定リストに記載された八つ全て登録された。あれから5年世界遺産登録のお陰で我々観ボラも宗像に来られるお客様の為にガイドに力を入れ日々研修を重ね努力しています。新しい企画を作り市内外の方に宗像の素晴らしい自然・歴史・文化を再認識して頂くため機会を作りお伝えし、又、小学高学年生を対象に世界遺産とは何か等、教育委員会や世界遺産課の先生方のご指導を仰ぎ、遺産を守り伝える事の大切さや、教育科学文化を通して戦争のない世の中を作る役割をゲストティーチャーとして伝えると共に、宗像の郷土を愛し、誇りを持って育っていただきたいとお話ししています。

海の道むなかた館地域学芸員の会 代表 山元 正之

写真:山元 正之

 世界遺産への登録とほぼ同じ時期にボランティアガイドを始めました。ガイドの諸先輩からの温かいご指導をいただきながらこれまで多くのお客様に世界遺産の魅力をお伝えし、お客様から「宗像にきて本当に良かった。」との声を頂戴することで今の自分の活動を誇りに思うようになりました。早いものであれから5年です。今後も研鑽を重ねながら宗像の魅力そして宗像にある世界遺産のすばらしさをもっと多くの人にお伝えするとともに、後輩にもしっかりと後を継いでもらえるよう尽力したいと思います。

藤原 実咲

写真:藤原 実咲

 私は宗像三女神記と言う市民参加型ミュージカルを通して、宗像の歴史や文化や友情、沢山のことを学びました。そしてこの宗像の素晴らしさが少しでも多くの方に伝わるよう舞台の上から発信してきました。沖ノ島と関連遺産群が世界遺産となり、宗像を誇りに思う気持ちがより一層強くなる中でどうしたらより多くの方に宗像の素晴らしさを知っていただくことができるのか。世界遺産となって5年が経ち、これからも誇りに思う気持ちを忘れることなく色々な形で発信していけたらと思っています。